はじめに|公式レポートとは違う「現場の熱気」をお届け!
前回の第3戦富士公式レポートでは、激しい雨と霧の中でのVSRの素晴らしいリザルトをお伝えしました。実は今回の日本ラウンド、マイポックスのメンバーが現地に足を運び、レースの舞台裏を丸一日じっくり見てきました!
今回は、YouTube中継やSNSの画面越しでは伝わらない「音、匂い、ピット裏の熱気」を、現場目線でたっぷりリポートします。
第3戦富士 レポートはこちら
第3戦
マイポックスがパートナーシップを結ぶVSR、聖地・富士で開幕6連勝!激雨と濃霧を制した第3戦完全レポート
目次
- はじめに|公式レポートとは違う「現場の熱気」をお届け!
- そもそもルールが分からない?「スーパートロフェオ」の基本
- タイムスケジュール:現地レポートの「最高に濃い1日」
- 【現場の驚き①】朝のピットは分刻みの緊迫感!タイヤはまさかの「天日干し」?
- 【現場の驚き②】ブレーキは毎回「使い切り」!機能美が詰まった足回り
- 【現場の驚き③】驚くほど軽い!炭素繊維(カーボン)とマイポックスの技術
- 富士スピードウェイの魅力とお腹に響く「V10サウンド」
- 【至高の裏側】本場イタリアの風が吹くホスピタリティ
- 午後は大雨!通に聞いた「富士の一番の見どころ」
- 【番外編】VSRを彩る「A」の魅力|Airi&Ai
- 終わりに|ピット裏で感じた「塗る・切る・磨く」の精神
そもそもルールが分からない?「スーパートロフェオ」の基本
① 全車が同じマシンを使う「ワンメイク」 このレースに出場するマシンはすべて、ランボルギーニのレース専用車両「ウラカン・スーパートロフェオ・エボ2」で統一されています。「マシンの性能差」がないため、純粋なドライバーの腕とチームの戦略だけで戦います。 ② 4つのクラスが同時に走る混走レース ドライバーのレベルに合わせて4つのクラス(Pro / Pro-Am / Am / LB Cup)に分かれていますが、レースは全員が一斉にスタートして混走します。VSRチームの「98号車」はプロとアマが組むPro-Amクラス、「6号車」はプロ同士のProクラスにエントリーしています。 ③ 出力を抑えても「GT300クラス級」のモンスター 日本のトップレース(SUPER GT)のGT300クラスに近い性能を持っており、富士の長いストレートでは最高時速280km/hオーバーに達します。出力をコントロールしているワンメイクレースでありながら、そのスピードと迫力は世界トップレベルです。
タイムスケジュール:現地レポートの「最高に濃い1日」
6月20日(土)のRace 1当日のタイムスケジュールはこのような流れでした。
- 08:30 現地集合、ピット裏の準備見学
- 09:30 予選1(Q1)
- 10:00 予選2(Q2)
- 11:30 ピットでの交流・ホスピタリティ体験
- 14:00 Race 1(決勝)観戦
【現場の驚き①】朝のピットは分刻みの緊迫感!タイヤはまさかの「天日干し」?
朝、現地に到着すると、ピット裏はレース直前の熱気と、分刻みで進行する独特の緊迫感に包まれていました。そこで目にしたのは、ジャッキでリフトアップされ、タイヤがすべて外されたウラカンたちでした。
驚きのポイント:タイヤを温めるのはお天道様!?
レース用のスリックタイヤは、ある程度温まらないと本来のグリップ力を発揮しません。このレースでは電気で温める「タイヤウォーマー」が使えないため、なんとピット裏でタイヤを太陽の光に当てて「天日干し」をして温めていました。最先端のハイメカニックの中に、どこか自然の理を活かした光景が印象的でした。
【現場の驚き②】ブレーキは毎回「使い切り」!機能美が詰まった足回り
マイポックスとしても、この緻密な金属管理や熱対策の構造には、ものづくりの観点から深く共感するものがあります。
【現場の驚き③】驚くほど軽い!炭素繊維(カーボン)とマイポックスの技術
写真や動画で見ると、ランボルギーニはとても重厚でどっしりして見えます。しかし、チームのご厚意で実際にドアの開け閉めをさせていただくと……その想像を超える圧倒的な軽さに、驚きを隠せませんでした。
マシンの外装のほとんどは、鉄ではなく軽量かつ高剛性なカーボンファイバー(炭素繊維強化プラスチック:CFRP)で作られています。
💡 研磨ラボの視点:カーボンを「磨く・切る」の難しさ
実は、こうした自動車の軽量化に欠かせないカーボン素材は、研磨の世界では非常に難易度が高い「難削材」として知られています。通常の研磨ペーパーやフィルムでは、まわりの樹脂は削れても、硬い炭素繊維だけが残ってきれいに切れない(毛羽立ってしまう)という課題があります。
マイポックスの特殊製品「オムニカーボナイト」は、この樹脂と硬い繊維を同時に均一に削り落とすことができる技術を持っています。レースマシンの軽量化技術と、マイポックスの「切る・磨く」のテクノロジーは、ここでも深く響き合っているのです。
関連記事:航空機・自動車分野のコンポジット材料に最適な研磨材 KULTRA(クルトラ)
関連記事
CFRP素材の研磨加工について詳しくはこちら
富士スピードウェイの魅力とお腹に響く「V10サウンド」
富士スピードウェイの魅力は、自分たちがお目当てのレース以外にも、1日中さまざまなレースが同時開催されている「お祭り感」にあります。
午前中には「トヨタ・ヤリス」のワンメイクレースも開催されており、コンパクトカーならではの軽快でキレのあるエキゾーストノートがサーキットに響き渡り、観客席を大いに沸かせていました。
そんな多種多様なマシンの走る姿を楽しめるのも富士の良さですが、いざランボルギーニの「5.2L V10自然吸気エンジン」が始動すると、空気の震え方がまた一変します。ストレートを駆け抜ける音は、耳で聞くというより「お腹の奥にドカンと響く」ような凄まじい地鳴り。これぞ現地でしか味わえないカタルシスです。
💡 研磨ラボの視点:エンジンの心臓部を支えるマイポックスのフィルム
このウラカンの凄まじいパワーと超高回転を支えているのは、「クランクシャフト」や「カムシャフト」といった超精密な回転部品です。 こうした回転部品の最終仕上げには、超精密な鏡面研磨が欠かせません。マイポックスの研磨フィルム「VARIOFILM」は、自動車業界で広く採用されているフィルム研磨のソリューションです。研磨によって表面形状・精度を向上させ、最適な粗さを得るとともに、疲労強度・耐摩耗性・耐熱性といった機械的強度も向上し、燃費性能のアップにも貢献します。 1000分の1秒の勝敗を分けるエンジンの精度は、まさに「塗る・切る・磨く」の技術によって支えられていると言っても過言ではありません。
関連記事:モータースポーツの技術を量産へ ― カムシャフト超仕上げラッピングフィルムの共創ストーリー
関連記事
エンジンの性能を左右するクランクシャフト研磨について詳しくはこちら
【至高の裏側】本場イタリアの風が吹くホスピタリティ
ピット裏の楽しみはマシンだけではありません。なんと、このランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアのレースには、シリーズ全体に本場イタリアのシェフが帯同しているのです!
パドックに設けられた専用のホスピタリティテントでは、イタリアから直輸入した生ハムや濃厚なチーズをふんだんに使った、出来立てのパスタやピザが振る舞われます。
自動車メーカーが主催する国際的なワンメイクレースだからこその、ブランドの世界観を体現した究極のホスピタリティ。過酷な戦いに挑むドライバーやメカニック、そして関係者たちにとって、この本場の味は何よりのエネルギー源であり、レースウィーク全体の華やかな雰囲気を創り出していました。
午後は大雨!通に聞いた「富士の一番の見どころ」
午前中の予選はなんとか天気がもったものの、午後の決勝レース(Race 1)の直前、富士スピードウェイには激しい雨が降り始めました。チームは急ピッチで溝のある「ウェットタイヤ」へと切り替えます。
レース開始前、富士に詳しい関係者の方に「どこで見るのが一番面白い?」と尋ねると、迷わず「第1コーナー(TGRコーナー)だよ」と教えてくれました。
時速280km近くでホームストレートを全速力で駆け抜けてきたモンスターマシンたちが、強烈な水しぶきを上げながら、一気に急カーブへと飛び込み、ギリギリのブレーキング勝負を仕掛けます。大雨の第1コーナーは、まさにドライバーの技量と度胸が火花を散らす、最高の観戦スポットでした。
【番外編】VSRを彩る「A」の魅力|Airi&Ai
ピット裏を華やかに彩ってくれたのが、VSR Asiaのレースクイーン、吉村愛梨(Airi)さんとAiさん。奇しくも「A」から始まる二人です。ドライバーとメカニックの真剣な緊張感の中に、お二人の明るい笑顔がふっと差し込む――そんな瞬間もまた、パドックの魅力の一つでした。
ドライバー気分?98号車のコクピットで笑顔を見せる、レースクイーンの吉村愛梨さん
リアウィングに手を添えて、VSRの世界観を体現するレースクイーンのAiさん
終わりに|ピット裏で感じた「塗る・切る・磨く」の精神
今回の現地取材では、空き時間にチームのスタッフに直接質問をするなど、パートナーならではの貴重な体験をたくさんさせていただきました。 一見、華やかに見えるモータースポーツですが、その裏側にあるのは「タイヤを1℃でも温めるための工夫」「ブレーキのコンマ数ミリの摩耗への対策」「徹底的な軽量化」といった、泥臭いまでの精密さの積み重ねでした。 マイポックスが日々向き合っている「塗る・切る・磨く」の精神と、VSRがピット裏で見せたこだわりは、高い次元で共通しています。 現場で彼らの魂に触れ、マイポックスメンバー一同、これからもパートナーとしてこの素晴らしいチームを全力で支えていきたいと改めて強く感じた1日でした。 次戦は海の向こう、韓国ラウンドです。日本から熱いエールを送り続けます!
記事No,493
