産業用機械に組み込まれた転造ボールねじとナット・ベアリング部のクローズアップ
※画像はAIにより生成されたイメージです。実際の製品形状や寸法とは異なる場合があります。

はじめに:転造ボールねじ加工における「仕上げ工程」の難しさ

自動車のステアリングや電動ブレーキ、産業用ロボット、工作機械など、高度な位置決めと滑らかな駆動が求められる現場で広く使われている「転造ボールねじ」。近年は各種装置の電動化や静音化へのニーズが高まり、転造後の仕上げ品質に対する要求レベルも一段と厳しくなっています。

転造ボールねじは生産性が高い一方で、転造時に生じる二次バリや、その後の熱処理で発生するスケールの除去が課題になりやすい製品です。しかし、これらの不要なバリやスケールを除去しようと研磨を行う際、多くの加工現場で次のような課題に直面しています。

現場でよくあるお悩み ▪ 「砥石などの硬い研磨材を使うと、精密なねじ溝形状まで削れてしまい、寸法精度が出ない」 ▪ 「手作業でのバリ取りや目消しに時間がかかり、生産効率が上がらない」 ▪ 「研磨材がすぐ目詰まりしてしまい、仕上げ面にむらができてしまう」

本記事では、こうした転造ボールねじ製造のお悩みを解決するソリューションとして、マイポックスの不織布ホイール「ユニベックス プレスドホイール NL」を活用した研磨技術をご紹介します。

目次

  1. なぜ転造ボールねじの研磨は寸法不良が起きやすいのか?
  2. 【形状を崩しにくい】マイポックス「プレスドホイールNL」の強み
  3. 転造ボールねじ加工における「プレスドホイールNL」活用ポイント
  4. まとめ

なぜ転造ボールねじの研磨は寸法不良が起きやすいのか?

転造ボールねじの精度を決定づけるのは、リード精度と均一なねじ溝形状です。この溝形状に少しでも狂いが生じると、ボールの転がり抵抗が増大し、作動時の異音や振動、摩耗による寿命低下へと直結してしまいます。

一般的な硬い研磨ディスクや砥石は、研削力が高い反面、ワークに対する「馴染み性(しなやかさ)」がありません。そのため、バリやスケールなどの不要な突起部分だけでなく、ねじ山の角部や大切なねじ溝まで過剰に削り落としてしまう「過研削」のリスクが非常に高くなります。

砥石・硬い研磨ディスク 特徴 研削力は高いが、ワークへの馴染み性(しなやかさ)がない ねじ溝への影響 ねじ山の角部やねじ溝まで削り落とす「過研削」のリスクが高い 目詰まり 目詰まりすると研削力が落ち、仕上げ面にむらが出やすい
おすすめ ユニベックス プレスドホイールNL 特徴 しっかりとした研削力と、不織布ならではの弾性を両立 ねじ溝への影響 ねじ溝のR形状に沿うため、形状への影響を抑えてバリのみを除去 目詰まり 繊維間に空隙を持つ三次元構造で研削粉が溜まりにくく、研削力の低下を抑える

精度の高い転造ボールねじを安定して製造するには、次の3つの要素を満たす研磨材の選定が不可欠です。

1
形状馴染み性 ねじ溝や軸部の複雑な形状にしなやかにフィットすること。
2
選択的な研削力 基材(ワークのねじ溝)を傷めず、不要なバリやスケールのみを狙って除去できること。
3
耐目詰まり性 削りかすが詰まらず、最後まで均一な研磨力を維持できること。

【形状を崩しにくい】マイポックス「プレスドホイールNL」の強み

こうした転造ボールねじの精密仕上げにおすすめしたいのが、マイポックスのプレスドホイールNLです。

形状馴染み性 不織布ならではの弾性がもたらす「形状馴染み性」 プレスドホイールNLは、砥粒を含んだ不織布を重ねて圧縮した構造で、しっかりとした研削力を持ちながらも、不織布ならではの弾性を備えています。ワークに押し当てると不織布がねじ溝のR形状に沿うため、ねじ溝形状への影響を抑えつつ、角部のバリや凹凸を効率よく除去できます。
目消し効果 均一な研磨面と目消し効果 不織布全体に砥粒が分散しているため、使い込んでも常に新しい砥粒面が作用します。転造後の加工痕(粗い目)を均一に整える「目消し」効果が高く、後工程への負担を大きく軽減します。
耐目詰まり性 構造的な「目詰まり防止」で作業効率向上 隙間の多い三次元構造により、研削粉が内部に溜まりにくく、スムーズに排出されます。目詰まりによる発熱や研削力の低下を防ぎ、長寿命かつ安定した品質での連続作業を可能にします。
製品詳細はこちら ユニベックス プレスドホイール NL ラインアップ・仕様は製品ページでご確認いただけます。
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転造ボールねじ加工における「プレスドホイールNL」活用ポイント

プレスドホイールNLを現場でより効果的にご活用いただくためのポイントをご紹介します。

バリ取り・スケール除去 課題・目的 転造後の熱処理スケールや微細な二次バリの除去 活用ポイント・メリット 寸法精度への影響を抑えながら、均一な面圧でアプローチ。手作業工程の機械化・標準化にも貢献します。
面粗さ調整(目消し) 課題・目的 転造面の微細な粗さを整え、下地を均一化 活用ポイント・メリット 後工程へのつなぎをスムーズにし、最終的なボールねじの作動性向上・静音化に寄与します。
工作機械 ロボット全般のイメージ
工作機械 ロボット全般のイメージ

まとめ

転造ボールねじの製造において、「精度を維持しながら効率よくバリを取りたい」「ねじ溝の形状を壊さずに仕上げたい」という課題は、製品の選定と研磨条件の最適化で解決可能です。

マイポックスでは、今回ご紹介した「ユニベックス プレスドホイールNL」をはじめ、お客様のワーク材質や要求精度、自動化ラインの条件に合わせた最適な研磨ソリューションをご提案しております。「自社の転造ねじでテスト研磨をしてみたい」「現在のバリ取り工程を見直したい」といったご要望がございましたら、ぜひお気軽にマイポックスまでご相談ください。


記事No,566