革靴を長く愛用するには日頃の手入れだけでなく、修理が欠かせません。今回は、革靴を長く使用するために必要な修理と研磨について解説します。

目次

  1. 革靴の修理について
  2. 革靴の修理工程
    1. トップリフト交換の作業工程
    2. オールソール交換の作業工程
  3. まとめ

革靴の修理について

革靴には見た目の美しさや高級感があります。購入した革靴を長く使い楽しむためには、履いた後の手入れが必要です。しかし、それだけでは維持できず履き続けるごとに各部のダメージを受けて摩耗します。その主な部分は靴底で、かかと、前半分、つま先の順に減っていき、これを放っておけばやがてその靴を履き続けることはできなくなります。使用し続けると靴底が減るのは宿命であり、靴底以外の箇所も様々なダメージを受けます。日常のメンテナンスを超えた部分は、ダメージや摩耗状態に即した修理を行うことが靴を長く使用し続ける上で大事なことであり、必要不可欠となります。

革靴の修理工程

ダメージを受ける主な箇所は靴底となり、ヒールからソールの順に摩耗度が高くなります。どのような場合でも修復は可能となりますが、進行の度合いが激しいほど手間がかかり、コストが掛かるため、早めの修理を心掛けましょう。

革靴の主な修理はトップリフト交換、もしくはオールソール交換であり、ほとんどの革靴はソールが擦り減ったり、穴が開いたり、割れてしまった場合でも交換できます。その中で研磨布ベルトを含めた修理作業をご紹介します。

 

トップリフト交換の作業工程

① 古いトップリフトとヒールリフトの間からプライヤーにてトップリフト引き剥がす
②ヒールリフトにトップリフトや接着剤が残っているので、研磨布ベルトNEWZ-B02♯24~#40にて削り落とし表面を平らに整える
③張り替える用のトップリフトを研磨布ベルトNEWZ-B02♯24~#40にて接着面を足付けのために削る
④ヒールの接着面と新しいトップリフトに接着剤を塗る
⑤ヒールに新しいトップリストを張り合わせてハンマーやプレス機などで圧着させる
⑥ヒールの側面からはみ出したトップリフトを、ハサミなどで切る
⑦ヒールとトップリフトの段差を無くす様に側面を研磨布ベルトNEWZ-B02♯24~#40で荒削り、  研磨布ベルトNEWZ-B01♯120にて滑らかに仕上げる
⑧トップリフトを揃える際に研磨したヒール側面の素地が見えているため着色する
⑨天然毛バフで磨き上げて完成

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オールソール交換の作業工程

① 古いソールをトップリフトごと引き剥がす
② ヒールリフトを引き剥がしたソールには、釘が残っている為全て取り除く
③ アウトステッチが残っている箇所がある為、研磨布ベルトNEWZ-B02♯24~#40でその縫い目を消す
④ プライヤーでアウトソールを引き剥がす
⑤ ステッチの残りを削る為に、研磨布ベルトNEWZ-B02♯24~#40で削る
⑥ 靴の中のクッション材(主にコルク)や、シャンク芯などを交換
⑦ 新しい靴底を圧着し貼り付ける
⑧ ステッチに入る前の下処理として、アウトソールに残っている銀面を研磨布ベルトNEWZ-B02 ♯24~#40にて剥がす
⑨ アウトソールをステッチする
⑩ ヒールリフトを張り合わせるため、アウトソールのヒール部・貼り合わせ面をNEWZ-B02♯24~#40にて削り接着面の足付け
⑪ アウトソールにヒールリフトを貼り合わせる
⑫ ヒールリフトの表面を削ってヒールリフトの高さを調整し、同時にトップリフト用の足付けをする
⑬ ヒールリフトに張り合わせるトップリフトを用意し、貼り合わせ面をNEWZ-B02♯24~#40にて足付けする
⑭ ヒールリフトにトップリフトを貼り、圧着させる
⑮ヒールリフトとトップリフトをNEWZ-B01♯120にて削り最終仕上がり手前まで整える
⑯靴底の仕上げとして、天然毛バフで表面を磨き上げる

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まとめ

ここまで述べた通り、購入した革靴を長く楽しむためには、修理が欠かせません。弊社のNEWZ-B01・NEWZ-B02は砥粒にジルコニアが採用されている研磨布ベルトとなります。ジルコニア砥粒は高い研削性による作業時間短縮と、目詰まりしにくい砥粒であることから耐久性が向上するため、研磨布ベルトの寿命が長持ちします。
また他にもコストダウンを目的としたアルミナ砥粒の研磨布ベルトもラインナップにそろえています。弊社はその他にもお客様のご要望に合わせた研磨製品の改良・提案もおこなっていますので、お気軽にご相談いただければと思います。