目次

  1. 1.混ぜる技術とMipoxが取り扱う研磨フィルム製品の関係
    1. Q:研磨フィルムの材料とは?
    2. Q:調合・分散って何?
  2. 2.何故、混ぜる技術が必要なのか?
    1. Q:凝集物って?
  3. 3.機能性フィルムのお客様にMipoxが提供する“混ぜ合わせる技術”のメリットとは?
    1. Q:機能性フィルムとは?
    2. Q:Mipoxが機能性フィルムのお客様にできることは?

1.混ぜる技術とMipoxが取り扱う研磨フィルム製品の関係

調合分散

Mipoxは研磨フィルムを製造する時に砥粒、塗料(樹脂)、基材(PETフィルム)を使ってウェットコーティングで製品を作ります。ウェットコーティングは、文字通り「濡れた」状態でのコーティング方法を指します。液状のコーティング材料をフィルムや基材上に塗布し、その後、乾燥・硬化することで様々な機能を持ったフィルムを形成する技術です。

Q:研磨フィルムの材料とは?

研磨フィルムは主に3つの材料で構成されています。

研磨フィルム構造
(画像=研磨フィルム構造)
  1. 砥粒(研磨材)の種類 アルミナ・シリコンカーバイト・ダイヤ他 研磨する時は研磨目的に応じてベストなもの選ぶ必要があります。選定するのは砥粒の種類や大きさとなり、仕上げ面粗さや研磨時間などに影響してきます。砥粒を詳しく紹介しているページがありますのでご興味があるかたはこちら→https://www.mipox.co.jp/media/archives/121

  2. 塗料(樹脂・バインダー) 砥粒を固定させ基材に密着させるために使います。塗料も硬いものから柔らかいものまであり、ここでも研磨目的に合わせて複数の塗料から選定してきます。研磨フィルム(研磨紙・布含む)で使われるのはポリエステル、アクリル、ウレタン、エポキシ、フェノールなどがあります。

  3. 基材(PETフィルム等) 基材は主にPETフィルムを使います。研磨目的に応じて紙、布、不織布などを使った研磨材もあります。

研磨フィルム
(画像=研磨フィルム)

Q:調合・分散って何?

料理のイメージ
(画像=料理のイメージ)
  1. 調合:化学物質や材料を特定の割合や方法で混ぜ合わせる作業を指します。 料理の例を使うと、いろんな材料や調味料を特定の比率で混ぜ合わせる行為のようなものです。例えば、ケーキを作るための粉、砂糖、卵などの材料を適切な量で混ぜるのが「調合」にあたります。

  2. 分散: 固体の粒子や液滴を別の液体の中に均一に広げることを指します。 このとき、粒子が均一に広がり続けるようにするための添加物(分散剤など)を使うことがよくあります。 こちらも料理の例を使いますと、例えば、ドレッシングの中にオリーブオイルや酢などが含まれているとします。これらは、元々は混ざりにくいものですが、よく振ることで一時的に混ざります。このように、ある物質を他の物質の中に均一に広げることを「分散」と言います。

要するに、調合は「混ぜ合わせる」こと、分散は「均一に広げる」ことを意味します。

調合2
(画像=調合2)

2.何故、混ぜる技術が必要なのか?

混ざりが悪い事が原因で、凝集物が発生します!

研磨フィルム凝集物一例
(画像=研磨フィルム凝集物一例)

Q:凝集物って?

砥粒と樹脂を混ぜる際に十分に均一に混ざらない時に、凝集物が発生します。これは、混合が不十分であるか、均一な混合が難しい場合に発生することがあります。凝集物が形成されると、塗料の表面に不均一な粒子の集まりや塊ができ、塗りつけた表面にムラや凹凸が生じ、均一な仕上がりが得られません。 凝集物が混入した研磨フィルムを使用すると、ワーク(研磨対象物)に傷が付いてしまいワークが不良となる可能性があります。そのため、凝集物が一切なく、均一に仕上がった製品を製造・提供することが研磨フィルムのお客様にとって極めて重要です。

凝集物の形成を避けるためには、以下のポイントに注意することが重要です: ・ 適切な混合時間と方法: 十分な混合時間を確保し、適切な混合方法を使用することで、砥粒と樹脂を均一に混ぜることができます。攪拌機を使用することで、より均一な混合が期待できます。 ・ 正確な配合比: 樹脂と砥粒の配合比を正確に計量し、それに基づいて混ぜることが重要です。不正確な配合は凝集物の原因となります。 ・ 均一な粒子サイズ:砥粒や他の添加物の粒子サイズが均一であることも重要です。異なる粒子サイズのものが混ざると、凝集物が発生しやすくなります。 ・ 適切な溶剤の使用:樹脂に適切な溶剤を使用することも重要です。溶剤が均一に混ざっていない場合、凝集物ができやすくなります。

このように、研磨面がお客様の材料に触れるMipoxの製品は、この凝集を発生させないために、機械の使い分け・調合時間の管理・プロセス開発をしっかりおこなっていることが強みとなっています。

ハードディスク研磨工程
(画像=ハードディスク研磨工程)
Mipoxが保有する調合・分散設備
(画像=Mipoxが保有する調合・分散設備)

3.機能性フィルムのお客様にMipoxが提供する“混ぜ合わせる技術”のメリットとは?

フィラー材入り機能性フィルム紹介
(画像=フィラー材入り機能性フィルム紹介)

Q:機能性フィルムとは?

機能性フィルムは、通常、特定の機能や特性を持たせるために設計された薄膜状の素材です。これらのフィルムはさまざまな用途に使用され、その特性は材料の種類や製造プロセスによって異なります。以下に、機能性フィルムのいくつかの一般的な用途と特性を挙げてみましょう。

保護フィルム: スマートフォンやタブレットなどのデバイスのディスプレイや表面を傷や汚れから保護するためのフィルム。耐久性や透明性が求められます。

光学フィルム: 撮影や表示装置での使用に適した透明性や反射防止などの光学的特性を有するフィルム。カメラのレンズやディスプレイで使用されます。

電子機器用フィルム: 柔軟性があり、電気的な絶縁性を持つフィルム。電子機器の回路基板やディスプレイなどに使用されます。

太陽光発電用フィルム: 太陽光を効率的に集めてエネルギーに変換するためのフィルム。軽量で柔軟性があり、太陽電池パネルに利用されます。

バリアフィルム: 酸素や湿気などの外部からの影響を防ぐためのフィルム。食品包装や電子機器の保護などに利用されます。

これらの機能性フィルムは、素材の選定や製造プロセスに工夫が凝らされ、さまざまな産業分野で利用されています。

Q:Mipoxが機能性フィルムのお客様にできることは?

研磨フィルムと機能性フィルムの製造工程が近いからこそ以下のようなサービスをご提供可能です。

研磨フィルムの製造プロセス資料
(画像=研磨フィルムの製造プロセス資料)

・ 研磨フィルムで培ったフィラーの分散とコーティング フィラーを使用した製品において、研磨フィルムで培った高度な分散技術と塗工技術を駆使。

・ 10年以上のコーティングサービスで培った実績 特にディスプレイ向け、半導体向けの幅広い実績があります。

・ 一気通貫した高クリーン環境での工程管理 異物混入が許されない製品・用途において、高度な工程管理を実現していますので安心して製品の製造をお任せ下さい。

・ フィラーの均一な分散技術、精密な塗工技術 フィラーを使用した製品において、均一な分散技術と精密な塗工技術により、製品に機能・付加価値を与える。沈降しやすいフィラー材でも均一にコーティングする技術が当社にはあります。

・ お客様のフィラーが与えられる機能と付加価値の一例 機械特性(耐摩耗、低摩擦、高摩擦) 熱的特性(高熱伝導、低熱伝導) 電気特性(導電性、絶縁性、シールド性) 光学特性(光拡散、発光、斜光)

これらの技術的な強みにより、お客様の高品質かつ多様な機能を有する製品製造のお手伝いをMipoxがおこなっております。

その他、受託コーティングに関するお問い合わせはこちらからお問い合わせください。

■受託コーティングのご紹介■

https://product.mipox.co.jp/services/coating.html