鋼管ネジ切りについて
鋼管ネジ切りは、鋼管に螺旋状のネジを形成する加工プロセスであり、主に接続部品との連結やシステムの組み立てに利用されます。この工程は、特に配管や機械部品の設計において重要な役割を果たします。
目的
- 接続性の向上: 鋼管同士や他の部品との接続を容易にし、システム全体の組み立てを効率化します。
- 密封性の確保: 正確なネジ切りにより、接続部分の密封性が向上し、漏れを防ぎます。
- 強度の向上: ネジによる締結は、接続部分の機械的強度を高め、外部からの力や振動に対する耐性を向上させます。
工程
- 準備作業:
• 清掃: 鋼管の内面を清掃し、切削油を塗布します。これにより、切削時の摩擦を減少させ、工具の寿命を延ばします。 - 工具の選定:
• 内面ネジ切り専用のタップやダイスを選定します。鋼管の材質やネジの規格に応じた工具を使用することが重要です。 - ネジ切り作業:
• タッピング: タップを使用して鋼管内面にネジを切ります。タップを一定の圧力で回転させ、螺旋状のネジ溝を形成します。
• 進行状況の確認: 切削中に定期的に状況を確認し、切り粉を取り除くことで切削効率を保ちます。 - 仕上げ:
• ネジ切りが完了した後、バリや切り粉を清掃し、必要に応じて研磨を行います。これにより、滑らかな接続面が得られます。 - 検査:
• 最後に、ネジの精度や寸法を測定し、規格に合っているかを確認します。

鋼管ネジ切り部バリ取り研磨について
鋼管のネジ切り部におけるバリ取り研磨は、ネジ切り後に発生するバリや不均一な表面を取り除く作業です。この工程は、接続部分の品質向上や安全性の確保に非常に重要です。
バリ取り研磨の目的
- 仕上げ精度の向上: ネジ切り後に残るバリや不整合を除去し、精度の高い仕上がりを実現します。
- 摩耗抵抗の向上: 表面が滑らかになることで、摩耗が減少し、製品の耐久性が向上します。
- 接触面の改善: ネジのかみ合わせが良くなることで、締結力が向上し、漏れや緩みを防ぎます。
- 安全性の確保: バリによる怪我や部品の損傷を防ぎ、安全性を向上させます。
使用研磨材について
鋼管のネジ切り部のバリ取り研磨では、不織布ホイールや軸付きフラップホイールが非常に効果的なツールとなります。不織布ホイールは、柔軟性があり、表面を均一に仕上げることができるため、バリ取り、もしくは仕上げ研磨に適しています。弊社では不織布を何枚も重ねて圧縮したNLホイールという製品がございます。不織布研磨材を製造する工程で、砥粒が均一に付く方法を採用してある事から仕上げ面に優れた製品を製造する事が可能となります。NLホイールの他にもホイール幅の寸法精度をクレードアップさせたNLSホイールもネジ切り部のバリ取り研磨に適しています。また軸付きフラップホイールもバリ取り作業が可能となります。特徴は複数の研磨布が重なった構造を持ち、柔軟性が高く、様々な形状の表面にフィットします。研削力やワークに当てた際の柔軟性を更に持たせたい形であれば軸付きフラップホイールがお勧めとなります。

まとめ
鋼管ネジ切り部のバリ取り研磨は、製品の品質や性能を向上させるための重要な工程です。適切な方法と工具を用いることで、効率的かつ効果的に研磨を行い、信頼性の高い製品を実現することができます。弊社では基材や番手など様々なご提案が可能となりますのでご使用を考えている際はお声がけ頂ければと思います。