はじめに
窒化ガリウム(GaN)は、高周波動作や高速スイッチング特性に極めて優れた次世代パワー半導体材料です。
急速充電器などの民生機器から、5G/6G通信基地局、LiDAR(レーザーレーダー)に至るまで、高効率・小型化が求められる最先端デバイスの要として急速に実装が進んでいます。
しかしその一方で、素材特有の硬くて脆いという性質が、普及に向けた大きな技術的壁となっています。
窒化ガリウム基板における「エッジ加工」の課題
半導体基板の安定生産において、外周部の割れ・欠けを防ぎ、次工程での歩留まりを向上させるエッジ加工(面取り・鏡面加工)は今後も必要不可欠になっていきます。
しかし、GaNはサファイアやSiCと同様に「硬くて脆い」という相反する性質を持つ難加工材です。この「硬くて脆い」という相反する性質が、GaN基板のエッジ加工における大きな技術的ハードルとなっています。
そのため、従来の砥石を用いた加工では、以下のようなリスクが存在します。
・硬さゆえの加工難と砥石の摩耗
硬いGaNに砥石が負けてしまい、加工レートが極端に落ちる(目こぼれ・摩耗が起きる)。
・チッピング(微小な欠け)の発生
加工を進めようと無理な荷重をかけると、脆さゆえにエッジ部分にチッピングやクラックが発生してしまう。
課題を解決する「研磨テープ式ウェーハエッジポリッシャー」3つの優位性
高硬度かつ脆いGaN基板の加工課題に対し、マイポックスの「研磨テープ式ウェーハエッジポリッシャー」は独自のソリューションを提供します。
1. 弾性体による低負荷加工でチッピングを防止
物理的に削り取る剛体の砥石とは一線を画し、弾性体を介したソフトなタッチでウェーハにコンタクトします。
研磨テープの柔軟性が加工時の衝撃を吸収・分散するため、脆いGaN基板への局所的な負荷を大幅に低減し、チッピングやクラックのないダメージレスな加工を実現します。
2. テープ送り機構で「硬い材料」にも安定した研磨力を維持
硬い窒化ガリウムの加工では砥粒がすぐに摩耗してしまいますが、本装置は研磨中も一定の速度でテープを送る機構を備えています。
常に新しい砥粒面を供給し続けることができるため、加工レートを落とさず、安定した研磨が可能です。
3. 1台で面取りから鏡面加工まで完結
テープを交換するだけで、面取り加工(ベベリング)から鏡面加工(ミラーポリッシュ)まで1台で対応可能です。
総合研磨材メーカーの知見を活かし、硬脆材料の窒化ガリウムに最適な研磨テープ(砥粒の種類や番手)を選定いたします。
窒化ガリウム基板の量産化を切り開く最適解
マイポックスの「研磨テープ式ウェーハエッジポリッシャー」は、 窒化ガリウム基板特有の「硬くて脆い」という加工のジレンマを、チッピングを防ぐダメージレス加工と、常に新鮮な砥粒による安定した研磨力によって、根本から解決します。
まとめ
マイポックスは、研磨装置の提供にとどまらず、受託研磨を通じたプロセス開発から量産サポートまで一貫して対応しています。多様な素材に対応可能な研磨プラットフォームを通じて、お客様のフェーズに合わせた最適なソリューションを提供いたします。 GaNなどの次世代半導体材料はもちろん、「新しい基板の加工条件が定まらない」「既存ラインの歩留まりを改善したい」など、あらゆる素材のエッジ加工に関する技術的な課題がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
記事No,384
