はじめに

酸化ガリウム(Ga₂O₃)基板は、高耐圧・低損失な次世代パワー半導体材料として大きな期待が寄せられています。 SiCやGaNと比較しても優れた特性を持ち、比較的低コストでの製造が可能とされ、大口径化への期待も高まっていることから、市場の関心は急速に高まっています。
しかし、その社会実装に向けた最大の課題の一つが、材料特有の性質に起因する加工の難しさにあります。

半導体
AIによるイメージ画像

目次

  1. 酸化ガリウム基板特有の「劈開性」という難敵
  2. 劈開性を制する研磨テープ式エッジポリッシャーの優位性
  3. 超難加工材のボトルネックを解消
  4. まとめ

酸化ガリウム基板特有の「劈開性」という難敵

半導体基板の安定生産において、外周部の面取り(ベベリング)や鏡面加工(ミラーポリッシュ)は、割れ・欠けを防ぎ歩留まりを向上させるために必要な工程です。 しかしながら、酸化ガリウム基板は特定の方向に割れやすい「劈開性(へきかいせい)」という特有の性質を有しています。
そのため、シリコン(Si)向けのような砥石方式を用いた加工では、以下のようなリスクがありました。

・基板そのものを破損させてしまう可能性
・材料側に深い加工変質層を生じさせてしまう懸念

劈開性を持つ酸化ガリウム基板は特にこうしたダメージが生じやすく、繊細な結晶構造を守り抜くことは困難でした。

劈開性を制する研磨テープ式エッジポリッシャーの優位性

これらの課題に対し、マイポックスの「研磨テープ式ウェーハエッジポリッシャー」は独自のソリューションを提供します。

1.弾性体による低負荷加工でダメージを最小化
物理的に削り取る砥石加工とは一線を画し、弾性体を介したソフトなタッチでウェーハにコンタクトします。 これにより、酸化ガリウム基板の劈開面に加わる局所的な衝撃を吸収・分散しエッジ研磨を行うため、破損リスクを劇的に低減します。

2.テープ送り機構による安定した研磨性の維持
目詰まりした砥石で無理に削ることは、基板に過度なストレスを与えます。テープ送り機構により、常に新鮮な砥粒面がコンタクトし続けるため、安定した研磨レートを実現します。

研磨フィルム

3.1台で面取りから鏡面加工まで完結
テープを交換するだけで、面取り加工(ベベリング)から鏡面加工(ミラーポリッシュ)まで1台で対応可能です。 総合研磨材メーカーの知見を活かし、硬脆材料の酸化ガリウム基板に最適な研磨テープ(砥粒の種類や番手)を選定いたします。

ベベル加工

超難加工材のボトルネックを解消

劈開性を持つ酸化ガリウム基板のエッジ加工は、量産プロセスにおける最大の関門です。
だからこそ、ダメージレスを極めたマイポックスの研磨テープ式ソリューションが、歩留まり向上への最短ルートとなります。 装置から消耗品(研磨テープ)まで一貫してご提案できる強みを活かし、お客様のプロセス構築に貢献します。

装置画像

まとめ

マイポックスは、研磨装置の提供にとどまらず、受託研磨を通じたプロセス開発から量産サポートまで、お客様のフェーズに合わせた最適なソリューションを提供いたします。 「新しい材料の加工条件が出ない」「歩留まりを改善したい」など、難加工材のエッジ加工に関する技術的な課題がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

記事No,385