はじめに
研磨材を選定する際、多くの方は砥粒の番手を基準に選びます。しかし、その研磨材がどのような作業に適しているかを示す本質的な情報は、番手以外にも数多く存在します。マイポックスの製品名の多くは、型番を見るだけですべてが分かるように設計されています。
ベテラン技術者や熟練の職人は、製品名から適した研磨方法、接着剤の特性、基材の強度を瞬時に判別し、加工不良の原因を特定します。本記事では、弊社製品名の読み解き方を解説します。これらを理解することは、現場の課題を解決する最適な製品選定への近道となります。
目次
湿式用研磨材か乾式研磨材か
研磨工程において、水を流しながら作業を行う「湿式研磨」は、摩擦熱の抑制や目詰まり防止に非常に有効です。仕上がり面をより滑らかに整えるための有力な選択肢として、耐水研磨紙が挙げられます。マイポックスの耐水研磨紙「WTCC」は、柔軟かつ強靭な耐水紙として優れた研磨力と仕上がりの均一性を備え、精度に妥協のないプロフェッショナルの現場で「高品質な耐水ペーパーの代名詞」として広く認知されています。
製品の特性を表す記号は、型番の一文字目に記載されています。
砥粒と接着剤が示す「適正材料」
製品記号の二文字目には接着剤の種類、三文字目には使用されている砥粒の材質が記されています。これらは対象物との相性を決定づける重要な因子です。
接着剤の結合方式 砥粒を基材に固定する接着剤の種類によって、耐熱性や砥粒の保持力が大きく変わります。研磨時には摩擦熱が発生するため、どの樹脂が使われているかを知ることが重要です。
砥粒材質のコード
三文字目には砥粒の材質が記されており、対象物の材質との相性を見極める重要な情報となります。
基材の特性を示す「アルファベット」の定義
製品記号の四文字目に記載されているアルファベット(A、C、D、F、J、Xなど)は、基材(ペーパーや布)の重さと厚みを表しています。これは研磨時の「研削力」と「耐久性」を左右する重要な指標です。一般的に、アルファベットが後半に進むほど基材は厚く、強固になります。
「ハイフン(-)以降」が示す、ツールの適合性と作業性
製品記号の4文字目までで「中身(性能)」が決まりますが、ハイフン以降の記号は、その研磨材が「どのような形」で「どうやってツールに取り付けるか」という、現場の作業性に直結する情報を示しています。代表的な表記である「DDSM」を例に解読します。
S(シート):長方形。手研ぎなどで使用する研磨紙といえばこの形。
B(ベルト):研磨機など機械加工で使用。
R(ロール):研磨機や、必要な分だけ切って使う用途など様々な場面で使用。
N(ドライタック):裏面に粘着剤がついた糊式タイプ。平滑性が高く、よりシビアな平面出しに適しています。
現場診断における製品記号の活用事例
塗料販売店様や現場作業者様にとって、このコードの知識は強力なトラブルシューティングの武器となります。
カタログスペックの数値だけでなく、製品記号から「現在の作業条件と製品設計のミスマッチ」を見つけ出せることが、他社にはない弊社製品の付加価値です。
まとめ
マイポックスNikken製品は、製品名を見るだけで基材や接着剤、砥粒の組み合わせを瞬時に判断できる特徴があります。「なぜ、この製品でなければならないのか」——その答えは、常に製品名に記されています。現場で迷った際や、新しい工法を検討される際は、ぜひ一度製品記号を確認してみてください。そこにある記号を読み解くことが、品質向上とコスト削減の鍵を握っています。
もし判読できない記号や、特定の作業に最適な組み合わせを知りたい場合は、お気軽にマイポックス営業担当までお問い合わせください。製品記号の1文字に込められた技術的背景を含め、最適なソリューションをご提案いたします。
